2022.02.02
小規模保育園への転職前に知っておきたいメリットとデメリットを解説

目次
こんにちは、パーソンズの大藪です。
保育の求人情報を探しているときに、「小規模保育園(小規模保育所)」という情報を見つけたことはありませんか。
この小規模保育園とは、普通の保育園とは少し異なる保育園です。今回は、小規模保育園について詳しく紹介。一般的な保育園との違いや、働くメリット・デメリットについて考えてみましょう。
1. 小規模保育園とは?
小規模保育園(小規模保育所)は、待機児童問題の解消を目指すために2015年からスタートした「子ども・子育て支援制度」によって認可施設となった、新しい枠組みの保育園です。
文字どおり小規模な保育園を指しますが、ただ小さいというだけではありません。国の定める一定の基準を満たした保育園が小規模保育園とされ、一般的な保育園と同様に補助金などの支援を受けられます。
例えば、都市部で一般的な保育園を開園するためには、敷地の広さで大きなハードルがあるものの、小規模保育園であれば条件さえ満たせばマンションの一室でも始められるという仕組み。このように、比較的スタートしやすいよう条件を設定することで、保育園に対するニーズに応えるというわけです。
小規模保育園と一般的な保育園の違い
一般的な認可保育園との違いは、「定員数」と「対象年齢」です。定員について、一般的な保育園は20名以上と定められているのに対し、小規模保育園は6~19名です。
また対象年齢について、一般的な保育園が0~5歳(年度内に6歳)であるのに対し、小規模保育園は0~2歳(年度内に3歳)と限定的です。つまり、一般的な保育園の「乳児クラス」に該当するのが、小規模保育園となります。
さらに、小規模保育園にはA~Cの3種類があり、その種類によっては保育士の資格がなくても働けるなどの違いがあります。
小規模保育園の種類
小規模保育園は、その内容によって次の3種類に分類されます。なお、求められる面積についても細かく定められており、A・B型の場合は0~1歳児ひとりあたり3.3㎡、2歳児ひとりあたり1.98㎡が必要。C型は年齢を問わず幼児ひとりあたり3.3㎡が必要です。
- A型
小規模保育園のA型は、一般的な保育園の規模を小さくしたような内容です。子どもの定員は6~19名。すべての職員が保育士の有資格者でなければならず、さらに、その人数についても一般的な保育園の設置基準(0歳児3人に対して保育士1人、1~2歳児6人に対して保育士1人)からプラス1名とされています。
- B型
小規模保育園のB型は、先述のA型にある条件のうち、保育士の有資格者が半数以上であれば認可されます。ただし、保育士の資格がない職員は、定められた研修を受講する必要があります。また、うち1名を保健師、看護師または准看護師とする特例があります。
- C型
小規模保育園のC型は定員数が6~10名と、より小規模に定められていれます。さらに、保育士の有資格者は必要なく、家庭的保育者であればOK。
なお「家庭的保育者」とは、地方自治体が定める研修を修了し、保育士と同等またはそれ以上の知識と経験を持つと認められた人のことです。
職員数についても少し異なります。幼児と職員の比率が3:1になるように職員を配置しなければならず、家庭的補助者(市町村の研修を修了した保育補助)を置く場合は、5:2の比率にするよう定められています。
小規模保育園と家庭的保育園(保育室)の違い
規模の小ささで、小規模保育園と似た印象を受けるのが「家庭的保育園(保育室)」です。ただし、家庭的保育園は定員について1~5名と定めており、小規模保育園よりも小規模です。
保育場所は「家庭的保育者」として認められた人の居宅や専用の保育室となっており、名前のとおり「家庭的」というわけです。
2. 小規模保育園で働くメリットは?
一般的な保育園と比べて定員数や対象年齢が異なる小規模保育園で働くことにより、保育士にとってはどのようなメリットがあるのでしょうか。
- 園児や保護者とじっくり向き合う保育ができる
まず、園児の人数が少ないことから、一人ひとりと丁寧に接しやすいという点が挙げられるでしょう。また、園児の人数が少ないということは、保護者の人数も少ないということです。保護者や園児とじっくりと向き合いたいと考える人には、小規模保育園のほうが向いているという可能性も高いかもしれません。
- イベントが少なく時間の調整がしやすい
対象年齢が0~2歳児までと限定的であることから、保育園で行われるイベントも限られます。イベントがあるたびに、関連した打ち合わせや準備が必要になるもの。イベントの開催自体が少ない場合は、それだけ体力的にも時間的にも、負担が軽減されるという点はメリットといえるでしょう。
- 乳児保育の経験を積める
0~2歳の乳児に限定しているのが小規模保育園の特徴です。小規模保育園で働くことによって、乳児保育の経験を積むことができる点は、保育士にとっても大きなポイントになるのではないでしょうか。
3. 小規模保育園で働くデメリットはある?
では逆に、小規模保育園で働くことにデメリットはあるのでしょうか。
- 施設が小さく狭い
一般的な保育園に比べた、規模の小ささをデメリットに感じることがあるかもしれません。園内のスペースの狭さが原因となり、行える遊びなどが限られる可能性も。一般的な保育園のように広い空間があればできることでも、断念せざるを得ない状況が起こりうるというわけです。
- スタッフの人数が少ない
小規模保育園のA・B型であれば、園児ひとりあたりの職員数について、一般の保育園よりもプラス1名多いことが小規模保育園の認定条件です。ところが園児の総数が少ないため、比例して職員の総数も少なくなります。急病などで休む職員が出た場合、残る職員の負担が重くなってしまいかねません。
- 保育士としての経験が乳児保育に偏る
小規模保育園で働くことによって乳児保育の経験が積めるという反面、それ以外の経験が不足してしまうことも。小規模保育園や乳児クラスに限らず、さまざまな保育園・クラスで働ける人材になりたいと考えているのならば、この点は考慮しておく必要があるでしょう。
4.最後に
小規模保育園について、その特徴や一般的な保育園との違い、メリット・デメリットについて紹介してきました。近年の待機児童問題を解消するために生まれた小規模保育園。自身が目指す保育士の姿や、極めたい能力、働き方のこだわりに沿った保育士の新しい働き方として、ぜひ選択肢のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。
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