2021.04.07
保育実習ってなにをするの?保育学生が気になる実習内容やその目的

目次
こんにちは。パーソンズの大藪です。
保育士を目指すために必ず参加する「保育実習」。実習内容やその目的、1日の活動の進め方など、はじめての保育実習は分からないことも多く、不安に思う保育学生もいるでしょう。実りのあるものにするためには、保育実習の目的や目標をきちんと理解しておく必要があります。
今回は保育実習の目的や、実習内容について詳しく解説していきます。実習に参加する前に、ぜひ参考にしてくださいね。
1.知っておきたい「保育実習」の目的
まずは保育実習とはどのような活動なのか、参加する目的をあらかじめ確認しておきましょう。
保育実習とは
保育実習は、保育士養成校で必ず行われるカリキュラムのひとつ。保育学生が実際の保育現場で園児とかかわり、保育士の働く様子を見て学ぶことで、「保育士の仕事」をリアルに体験することができます。
保育実習の目的
- 園児と接することで、子どもへの理解を深める
保育実習で園児とかかわってみると、学校で勉強してきたことや、自分の想定していたものとは違ったと感じる経験をすることも少なくありません。発達状態、遊びや活動への取り組み方などは、園児一人ひとりに違いがあります。
当たり前のようにも思われますが、園児の個性による違いを本質的に理解することが、保育士になるうえで大切な経験と言えるでしょう。
- 保育士の役割を学ぶ
保育士にはさまざまな役割が求められます。園児にとって親の役割を果たすこともあれば、友だちのような役割となることも。誰よりも園児に寄り添い、時には保護者の子育てをサポートする必要もあるでしょう。
また、実際に働いている保育士の姿を近くで観察することで、学ぶことも多いはず。園児だけでなく、保護者やほかの先生とのかかわり方を知ることも、保育実習の目的のひとつと言えます。
- 保育園での生活を体験する
保育園ごとに、1日のスケジュールや生活リズムは異なります。また、園児の年齢やクラスによって、毎日行う活動内容が変わることもあるでしょう。実際の保育園での生活を体感することで、1日の活動に与えられた意味やねらいを理解しやすくなります。新しい発見や気づきにつなげることも、保育実習の目的だと言えるでしょう。
ほかにも「保育実習でどんなことを学びたいか」「どんな力を身に付けたいか」など、自分なりに目標を定めておくことも大切ですよ。
2.保育実習で行うこと
保育実習には大きく分けて4つの実習内容があり、それぞれ活動のねらいや方法が異なります。参加する前に、実習内容や保育園での1日の流れを知っておきましょう。
4つの実習内容とは
- 観察実習
園児や保育士の動きを観察・記録しながら学んでいく実習のこと。まずは、園児の言動や人間関係、一人ひとりの発達段階などを細かく把握します。それに対する保育士の適切な対応を見て学び、自分なりに考えてみることが大切です。園児の様子や、その日の出来事を細かく記録しておくと、自分が園児とかかわる際の参考になるでしょう。
- 部分実習
区切られた時間のなかで、保育活動を行う実習のことです。実践的な保育活動を通して、今後の課題や改善点に気づくことが目的。おもに「遊び」の時間を割り当てられることが多く、園児とのコミュニケーションにおいて、その場に適した接し方をする必要があります。
ほかにも、昼食や昼寝の時間など、部分実習はさまざまな保育の場面で行われます。実習期間中に何度も行われるので、事前に活動に向けた準備をしておくといいですね。実践と改善を繰り返すうちに、保育の知識や現場感覚が身についていくでしょう。
- 参加実習
担当についてもらう先生の補助役として、実際に園児とかかわる実習のこと。実際の保育士業務を手伝うことで、仕事内容や役割、園児とのかかわり方を身につけられます。
分からないことや対応できないことは自分だけで判断せず、担当についてもらう先生の判断を仰ぐことも大切です。補助とは言っても、園児たちからは「先生」として見られるので、一つひとつの行動に責任をもつよう心がけましょう。
- 責任実習
これまで学んだことや実践経験を活かし、1日を通して保育に参加する実習のこと。「全日保育」「完全実習」とも呼ばれており、遊びのほか、給食、排泄、着替えといった、園児の生活全般の知識と対応力が求められます。
この実習では、保育学生が自身で保育活動の目標とねらいを定め、実習で学んだことを生かしながら「指導案」を作成。指導案とは、保育のねらいや、園児の指導計画をまとめたもの。保育士への第一歩とも言える作業です。
ほかの先生にどのようなサポートをお願いするのかなど、活動の進め方を含めて具体的に考えておく必要があります。登園から降園まで、保育士の1日の流れをすべて経験できるので、自分は何が得意で何が苦手であるか、確認できる機会にもなるでしょう。
保育実習の1日の流れ
1日の実習時間は、実際の保育士の勤務時間と同じ9時間(休憩を含む)が多いようです。午前中は開園準備のほか、各クラスごとに朝の会や自由保育・設定保育の時間があります。保育学生は、参加実習や観察実習を行うことがほとんど。
午後は昼食やお昼寝、遊びの時間などで、部分実習を行いながら降園時間まで過ごします。早番や遅番がある場合は、園児の登園前・降園後の業務を担うこともあるでしょう。時間外保育が終わったら、清掃や次の日の教材の準備などを行います。
このように1日の実習を終えたら、園児たちの様子や保育士がどのように動いていたかなど、実習日誌に具体的に記入しておきましょう。学んだことを日々実践できるように、自身に置き換えてイメージしておくことも大切です。
3.保育実習中の注意点
保育実習に参加する上で、気をつけておきたいポイントを紹介します。
持ち物や身だしなみ、実習の準備や指導案づくりは早めに行う
保育園によって、実習時に必要な持ち物や、準備しておくことは異なります。とくに、服装や髪型、ネイルなどの身だしなみについては、保育園ごとに細かく指定されることもあるので注意が必要。前日までに準備を整えておくことで忘れ物を防ぎ、不安なく実習に臨めるでしょう。
また実習時は、担当についてもらう先生に指導案や実習日誌を提出することがあります。これは保育士としての力をつけるために、欠かせないことのひとつ。はじめは書くのに時間がかかり、慣れない実習生活で疲れもたまりがちですが、記入漏れや提出忘れのないように心がけてくださいね。
保育園の方針やルール、社会人としてのビジネスマナーを守る
たとえ保育学生でも、園児や保護者からは「保育士」として見られます。普段から正しい言葉遣いを意識するようにしましょう。ほかの先生や保護者への敬語の使い方や、園児のお手本となる正しい言葉を選ぶことが大切です。
また、無断で遅刻・欠勤をしないことはもちろん、挨拶やお礼がきちんと伝えられることも、社会人として最低限のマナーです。保育園の方針やルールもきちんと把握しておきましょう。
積極的に園児たちとかかわり、学ぶ姿勢をもつ
保育実習の評価における大きなポイントは、「積極性」です。「園児と仲良くなろう」「多くのことを学ぼう」といった姿勢は、担当についてもらう先生だけでなく、園児にも伝わるもの。普段から明るく、笑顔で接することのできる保育士には、自然と園児たちも集まってくるでしょう。
保育実習は短期間ですが、園児の名前をきちんと覚えて、一人ひとりとのかかわりを大切にできるといいですね。
上記の注意点のなかには、ルールやマナーを守るなど、保育士だけに限らず社会人として気をつけるべきこともあります。保育実習を通して、社会に出るための力も身につけておくことが重要です。
また、実習先がそのまま就職先になることもあります。アルバイト感覚で参加するのではなく、保育実習のうちから就職を意識しておくと、さらなる評価にもつながるかもしれません。
4.まとめ
実際に保育園で過ごすことで、保育士としての自覚が芽生え、保育士試験へのモチベーションアップにもつながります。これから保育実習に参加する学生は、きちんと保育実習の目的を理解し、実りのある活動にしてくださいね。