2021.03.24
生活発表会で悩む題材選び。歌やダンス、劇などを成功させるポイントは?

目次
こんにちは。パーソンズの大藪です。
ほとんどの保育園で毎年開催される「生活発表会」。保育園に保護者を招き、日ごろの活動や園児の成長を伝えるための大切な行事です。発表をいいものにするには、園児たちに合わせた題材選びや当日のプログラムを工夫するなど、保育士のサポートが欠かせません。
今回は生活発表会に向けた題材選びのポイントや、発表内容のアイデアをご紹介。行事のねらいを理解し、園児たちの成長につながるような行事にしましょう。
1.生活発表会ってどんな行事?
「生活発表会は何をすればいいの?」と悩む人も少なくありません。まずは生活発表会とはどのような行事なのか、開催のねらいや目的をきちんと理解しておきましょう。
生活発表会とは
生活発表会は、日ごろの園児たちの様子を歌や合奏、劇などを通じて保護者に披露する行事です。園によっては「お遊戯会」と呼ばれていることもあります。
一般的には11月から3月までに行われることが多く、1年間の活動の総まとめのようにも考えられています。
行事のねらい
生活発表会には主に3つのねらいがあるとされています。
- 保護者に子どもの成長をみてもらう
生活発表会では「園児たちが成長を披露すること」が、大きなねらいのひとつです。保護者は、保育園にいるときの子どもの様子を見ることができません。子どもが友だちとどのように過ごしているか、どんなことができるようになったか、保護者に共有するための機会とも言えるでしょう。
- 園児に達成感を感じてもらう
発表会当日までの期間、園児たちは何度も練習を行います。ひとつのことに一生懸命取り組み、最後までやり遂げるという経験から、園児たちに“達成する喜び”を感じてもらうこともねらいです。
- 園児たちの表現力を養う
生活発表会は、題材やテーマに沿った「表現力」を養う機会にもなります。たとえば劇を行う場合は、自分の演じる役はどんな役か、園児なりにイメージを膨らませることになるでしょう。歌やダンスなどの活動も、一人ひとりの個性がしっかりと表現できるように、サポートしてあげられるといいですね。
2.題材選びのポイントと内容のアイデア
「生活発表会では何を発表すればいいの?」「園児が楽しめるテーマって何だろう」と、発表内容やテーマを決めることで悩むこともあるでしょう。そこで、園児の年齢に合わせた発表のアイデアを紹介していきます。
題材選びのポイント
生活発表会の題材選びは、園児の年齢や発達に合わせて決めることがポイントです。
また、園児にとって親しみやすいテーマにすることも大切です。普段から読んでいる絵本や、保育園の中にある身近なアイテムからアイデアを出すといいかもしれません。園児が好む遊びや歌を取り入れると、生活発表会への意欲が高まりますよ。
年齢別に発表内容を考えよう
園児ができることには個人差がありますが、クラスや年齢ごとに発表内容を分けてあげるといいでしょう。園児が題材を理解し、発表を楽しめるような内容に工夫することが大切です。
- 0歳~1歳児
立ったり話したりする力が未熟な乳児のうちは、園児の反応が見えやすい内容にしましょう。たとえば簡単な手遊びや、保育士の真似をするジェスチャーゲーム、リズムに合わせて体を動かすのもおすすめです。
また保育士が園児の名前を呼び、返事を返してもらうといった「返事遊び」も取り組みやすいでしょう。リズムに乗せて名前を呼び、園児が返事をした後に効果音などを入れると、発表として盛り上がるかもしれません。上手に返事ができない園児に対しては、こっそり教えてあげるなどのフォローも大切ですね。
- 2歳児
簡単な言葉が話せて、立って体を動かすようになる2歳児からは、簡単な歌やダンスを取り入れてみましょう。はじめは「かえるのうた」や「むすんでひらいて」など、理解しやすい歌詞や動きのある曲がいいですね。
ほかには、カスタネットやタンバリンなどを使った合奏なども、楽器に触れることを新鮮に感じられて楽しめるかもしれません。楽器に触れるのが初めての場合は、叩いて音を鳴らせるような、簡単な楽器を選んであげましょう。
- 3歳~4歳児
言葉の意味が分かるようになってきたら、発表内容も徐々にレベルアップしていきます。歌にダンスや振付を入れたり、音の違うハンドベルで合奏したりするなど、園児の成長に合わせて少しずつ難易度を上げていきましょう。
- 5歳児
簡単な歌やダンス、楽器の演奏ができるようになったら、パートを分けて本格的な発表を目指すこともできます。ソプラノとアルトに分かれた合唱や、楽器の種類を増やした演奏は難易度が上がり、園児はより達成感を味わえるでしょう。
また、歌やダンスを取り入れた劇を発表するのもおすすめです。一人ひとりに役とセリフを分けることで、保護者にとっても思い出となり、喜んでもらえるでしょう。保育園最後の思い出として、記憶に残る行事になるようにサポートしてあげられるといいですね。
3.生活発表会当日の流れと成功のコツ
生活発表会は園児が発表するだけではなく、当日の進行やプログラムの作成が保育士の仕事です。行事を成功させるためにも、気をつけるべきポイントを抑えておきましょう。
当日の流れ
一般的な生活発表会のプログラムは、おもに次のような流れとなっています。
1.はじめの言葉
2.乳児クラス(0歳~2歳)の発表
3.幼児クラス(3歳~5歳)の発表
4.先生の発表
5.終わりの言葉
保育園ごとに園児の人数やクラスの規模が異なるため、午前と午後の2部に分けて行われる場合もあるようです。幼児クラスの人数が多い場合は、3歳~5歳が合同でできる発表を取り入れるのもいいかもしれません。
また、先生たちも合奏や劇を披露することで、園児や保護者もより喜んでくれるでしょう。
生活発表会を成功させるコツ
行事をよりいいものにするために、気をつけるポイントを確認しましょう。
- 園児に与える役割を平等にする
発表のなかで、園児の出番に大きな偏りがないように注意しましょう。とくに劇をする場合は、セリフの多い主役を複数の園児に配役するなど、平等に活躍できるようなアレンジをするといいですね。
- 発表当日の急な欠席を想定して、園児の役割を決める
生活発表会当日に、園児が体調不良で欠席することがあります。あらかじめ複数の園児に同じ役割を分担しておくと、代役を立てる必要もなく安心です。
また、ダンスの振付や劇のセリフは配役に関係なく、全員が覚えられるように練習するのもおすすめ。園児にとっても、自分の役割だけではなく発表の全容を理解しやすくなります。万が一の場合には、代役を立てることもできるでしょう。
- 保護者の気持ちにも配慮する
発表内容や園児の配役に対して、「満足できない」という保護者の意見を聞くこともあるでしょう。そんなときは、園児が意欲的に練習している様子を保護者にも伝えると、理解してもらえるかもしれません。
また、なかには生活発表会当日に観に来られない保護者も。園児の様子を写真や動画で伝えてあげるなど、喜んでもらえるような配慮ができるといいですね。
- 園児が楽しく練習できるように工夫する
発表をいいものにしようと熱が入るあまり、厳しく指導してしまうと、園児は練習することが嫌になってしまう可能性があります。生活発表会は園児一人ひとりが主役であることを忘れず、日々できるようになったことを認めてあげることも大切です。保育士は、園児がのびのびと練習に取り組めるよう、温かなサポートを心がけましょう。
4.最後に
生活発表会は園児が歌や劇を披露するだけではなく、練習過程から成長を感じられる大切な行事です。また保護者や保育士にとっては、その成長を共有できる重要な機会となるでしょう。
思い出に残るイベントにするには、行事のねらいをきちんと理解して準備を進める必要があります。生活発表会当日に園児が練習の成果を発揮できるように、日ごろから園児に寄り添ってあげることも大切ですよ。