2020.12.16
保育園の正月はどう過ごす?伝統遊びや七草粥の意味を知っておこう

こんにちは。パーソンズの大藪です。
新年を祝う「正月」は日本の伝統的な行事のひとつ。保育園でも七草粥を作って食べたり正月遊びに挑戦したりと、正月ならではのさまざまなイベントを行いますよね。しかしイベントはただ行うだけでなく、それら一つひとつの意味を園児たちにきちんと伝えていくことが大切です。
今回は保育園で実践したい正月の過ごし方をご紹介。園児にはまだ馴染みのない伝統文化も、伝え方や遊びを少し工夫するだけで親しみをもってくれるはずです。
1.子どもに伝えたい「正月」の意味
日本の伝統行事にはさまざまな意味が込められています。園児たちの疑問にしっかり答えて、伝統文化を伝えることも保育士の重要な役割です。
正月の由来
正月とは「年神様」を家に招いて1年のはじまりをお祝いする行事のこと。年神様は“豊作の守り神”として日本各地に現れ、家庭へ幸福を授けるためにやってくると言い伝えられています。正月の風習として知られているおせち料理や門松、しめ飾りなどは年神様を歓迎するためのものです。
昔は1月の別称として1年のはじまりの月を「正月」とあらわしていました。現在では1月1日を「元旦」、3日までを「三が日」、7日までを「松の内」とし、大体1~7日までの期間が「正月」とされています。
園児への伝え方
正月について興味をもってもらうためには、言葉の説明だけでは難しいですよね。伝え方を工夫することで、園児も楽しみながら正月の文化に親しみを持てるようになるでしょう。
- 絵本を使って伝える
正月をテーマにした絵本の読み聞かせをするという方法があります。最近は正月の過ごし方を題材にした絵本の種類も豊富なので、伝えたいことに合わせて絵本を選ぶといいですよ。
- クイズにして伝える
「お年玉はなぜ『おとしだま』というの?」「鏡もちが二つ重なっているのはなぜ?」「どうしておせち料理にはエビが入っているの?」などの正月にまつわる疑問。クイズ形式で遊びながら知ってもらうのもおすすめです。回答を三択にして出題すると、大人数でも楽しめますよ。
- 紙人形劇で伝える
園児に正月についてなかなか関心をもってもらえないときは、紙人形を使うことで興味を引けるかもしれません。うちわのような形で簡単に作れる紙人形で、正月をテーマにしたストーリーを考えて楽しく伝えてみましょう。
2.保育園での正月の過ごし方とは?
保育園での正月期間はどのように過ごすといいのでしょうか。年末年始は、日ごろとは違った遊びや風習を楽しめる貴重な期間。園児たちと楽しく過ごすために、事前に準備しておくことが重要です。
- 年賀状を書く
12月には園児と一緒に年賀状を書いてみましょう。年賀状を送ることで、1年間の感謝と新年のあいさつの意味があると知る、きっかけにもなります。実際に送ってもいいですが、お母さんやお父さんなど身近な人に宛てた年賀状にすると、より親しみやすいかもしれませんね。
- みんなで新年の挨拶をする
正月に園児たちが保育園に来たら、みんなで新年の挨拶をしましょう。「あけましておめでとうございます」という正月ならではの挨拶をすることで、気持ちを新たに新年をスタートできます。
- 正月明けには「七草粥」を食べる
七草粥には、「1年を元気に過ごせるように」という願いが込められています。七草は、せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ。意味や七草の種類を教えてあげることで、園児たちの学びにつながります。一般的に1月7日の朝に食べるとされていますが、保育園でも食べる機会を作ってみてはいかがでしょうか。七草粥だけでなく、おせち料理やお雑煮にもそれぞれ意味が込められていることも伝えられるといいですね。
3.正月遊びには意味がある
保育園で過ごす時間にも、正月ならではの遊びを取り入れてみてはいかがでしょうか。普段は園児たちに馴染みのない遊びも、やってみると新鮮に感じられるかもしれません。
正月遊びのねらい
保育園で正月遊びをするのは、園児に日本の伝統的な遊びや文化を伝えるためです。おじいちゃんやおばあちゃん、お父さんやお母さんが受け継いできた日本の文化。正月遊びに親しみをもち、さらに未来に伝承するというねらいがあります。
大勢で楽しめる正月遊び3選
ここでは保育園でもできる正月遊びを3つ紹介していきます。
- 凧揚げ
男の子の誕生祝いとして親しまれていた凧揚げ。凧が高く上がるほど子どもが健康に成長すると言われている正月遊びです。
紙と紐を用意すれば、園児たちは紙に絵を描いて自分だけの凧を作って楽しめます。園庭がない場合は持ち帰って家で遊ぶのもいいでしょう。凧におもわず夢中になってしまうこともあるので、遊ぶ際は必ず近くで見守るようにしてください。
- 福笑い
正月遊びの定番として明治時代から親しまれる、顔のパーツを並べる遊び。おかめやひょっとこなど、縁起物を用いた遊びで新年の幸福を願ったと言われています。「笑う門には福来る」ということわざがあるように、福笑いで楽しく正月を過ごしたいものですね。保育園で遊ぶ場合は、園児たちに思い思いの表情を作ってもらうと盛り上がるかもしれませんよ。
- 羽根つき
1年の厄をはねるという意味で、子どもが元気に過ごせるようにと願いが込められた正月遊び。遊び方は主に2種類で、二人で交互に羽根をつく「追羽根」と一人で続けて羽根をつく「つき羽根」があります。保育園で遊ぶ場合は安全に十分注意し、間隔をあけて遊ぶなど工夫しましょう。羽子板と羽根がない場合は、うちわと紙風船などでも代用可能です。
4.最後に
正月について由来や意味を知ることで、園児たちもその期間を大切に過ごせるはずです。保育園でもできる正月の過ごし方や遊びを工夫して、楽しく伝えてみてはいかがでしょうか。