2020.11.20
自園採用を考える
自園採用。年々難易度が上がっています。今年はコロナの影響で他業種の採用が冷え込んでいるため、例年よりは保育園の採用環境は若干いいようです。新たに企画した『ほいくのっく』も今年なら進められるのではと思い、急いで立ち上げました。
昨年までは新卒採用の環境をどうこうしようという話はどこの園でもあまり聞いてもらえませんでした。多分それだけひっ迫していたんだと思います。今年は多少採用に余裕があるので、きちんと聞いて頂けます。参画園は現在45園程度です。
中身としてはインターンシップをやろうと言っているだけです。今一般的な学部の学生さんてアルバイトする方が減っているそうです。それは何が原因かというとインターンシップが一般的になったということが言えるそうです。自分のキャリア・目的に合うか合わないかわからないアルバイトで時間を使うくらいなら、多少得られるお金が少なくてもインターンで自分の将来を見る努力をしたい学生さんが増えているそうです。高い時給と、まかないの有無だけでアルバイトを決めていた僕とは大違いです。意識高いです。
そういう学生さんたちに幼稚園・保育園でしかできない体験の場を提供して直接的なつながりを持つことでもう少し新卒採用ができる土台を作れないかというところです。経営者の方はよくわかると思いますが、園で勤務する方って1時間もかけて通勤する方はあまりいません。30分以内が大多数です。ということはその30分以内に居住されている方に園のことが知らせられれば今よりも応募は増えるはずです。自宅から30分圏内の勤務対象となる人に対して求人告知を行うこと、そして30分圏内には他業種と違い求人上の競合が非常に少ないこと。これが保育、幼稚園業界の採用の特徴です。このことが他業者と比較しても採用難だというのは運営者の方の怠慢だと言い切れる要因です。入園児童を増やすための施策と同じように考えればもう少しシンプルかも知れません。
実習があるからと言われる方もいます。採用難でなければおっしゃる通りかと思います。でもうまくいっていない園は、それが機能していないから昨今の状況があると思います。
昔の園の採用は、最近の求職者はって言っても採用環境は良くなりませんし、転職市場はどんどん便利に、求職者よりになっていきます。この流れはもう止まりません。だから求職サイトにあって園に無いものを考えると実体験があるとなり、インターンということになりました。
参加した学生に園への入社を確約させたいような園にはお勧めいたしませんが、実体験を提供することでインターンが根付いてもう業界の採用環境が良くなることがウェルカムだという園の方にはぜひ参加頂きたいです。あくまでインターンが根付くことが目的です。どこかの園だけの採用環境が改善しても学生さんも求職者も認めてはくれません。それよりも学生さんがインターンを経過して就職先を決めていくという少し大きな流れを生むことが結果として採用環境の向上につながるのではと考えています。
『聞いてたよりも就職ってなんとなく楽』そう感じる方が増えれば新卒社員を人材紹介会社から紹介されるという納得感の無い状況が少し変わるかも知れないと思っています。弊社もその紹介会社ですし、紹介事業を否定するわけではありませんが、他業種の経営者は新卒の獲得に紹介会社を使ったり、インターンを使ったりして採用を行っています。ただのマネです。小さな一歩でめんどくさいので春には止めているかも知れませんが、試しに頑張ってみようと思います。
最後になりますが、パーソンズの運営園でも昨年、今年とインターンを受け入れました。見事皆さん入社されませんでした。体験の場が欲しいだけのようでした。でもそれでいいと思っています。体験した学生さんが勤務先で働いて、パーソンズの方が良ければ思い出してくれるでしょうし、そうでなければまた新たな魅力を生み出したいと思います。最近の若者がどうとかこうとか言うよりも30分以内に居住している方へ向けて園の魅力を発信する方に注力しましょう。そもそもその若者たちを生み育てたのは僕を含めた大人ですし。
興味のある園の方々何卒宜しくお願い致します。