2020.10.21
ベテラン?雑用係?クラス担任を持たない「フリー保育士」の役割やメリットとは

目次
こんにちは。パーソンズの松枝です。
保育園において「縁の下の力持ち」とも言われる「フリー保育士」。その役割は多岐にわたり、さまざまなスキルを兼ね備えた保育のエキスパートのような存在です。しかし、フリー保育士の仕事に対して、悩みや不安を感じる方も少なくありません。
今回はそんな「フリー保育士」について、その必要性や求められるスキル、メリットなどを紹介していきます。
1.「フリー保育士」とは?
そもそも「フリー保育士」とは、どんな存在のことを指しているのでしょうか?主な仕事内容や保育園での役割を見ていきましょう。
クラス担任をもたない保育士のこと
その名の通りで、クラス担任をもたずにフリーで動ける保育士のこと。主な仕事内容は各クラスの保育業務のサポートです。食事や着替えのフォロー、散歩や遊びの準備などが挙げられ、さまざまな場面で保育に必要なものをあらかじめ準備しておくなど、担任の先生がスムーズな保育を行えるようにサポート。場合によって、各クラスの担任の先生の休暇や休憩時間に代理で保育業務を任されることもあります。
園全体のサポート役として活躍
フリー保育士は、あるクラスだけを集中的に担当するのではなく、園全体の状況を把握しながら立ち回っています。園児とのコミュニケーションや担任保育士との連携のほかにも、電話対応や来客対応、行事の進行、必要備品の管理など、園全体の運営にかかわる業務も任されることがあるでしょう。
2.フリー保育士に必要なスキル
園全体のサポート役として、常に必要とされるフリー保育士。では、その役割を果たすためにはどのような知識やスキルが必要になるのでしょうか。
- 視野が広く、周囲を見渡して主体的に行動する力
クラスをもつ担任の先生にとって負担になっていることや、サポートしてほしいことを見極める観察力や気配りができなければいけません。保育の知識や技術はもちろんのこと、主体的に行動できる判断力が求められます。
- 園児や保護者とすぐに打ち解ける力
決まったクラスの園児だけではなく、さまざまなクラスに出入りして、初めてかかわる園児や保護者とコミュニケーションをとらなければならない場面も多々あるでしょう。そんなときに、すぐに打ち解けて場を和ませる力や、「話しやすい先生」だと感じさせる力も必要です。
- クラスごとの状況や園全体の動きを把握する力
園全体を観察しながら人手が足らないクラスを把握し、必要なサポートを見極めます。求められるのは即戦力で、幅広い知識や能力が重要なため、新人の先生がクラス担任をもつ場合にはベテランがフリー保育士を務めることも。
3.フリー保育士のよくある悩み
サポート役として活躍するフリー保育士には、クラス担任をもつ先生とは違った悩みがつきもの。しかし、捉え方ひとつで悩みも「やりがい」や「経験値」に変えられるのではないでしょうか。
雑用係のように感じてしまうことがある
フリー保育士の業務の中には、食事の準備や掃除、おもちゃの片付け、洗濯、食器洗いなど、雑用と言われる作業も少なくありません。クラス担任の先生とのコミュニケーションや関係性によっては、「フリー保育士は下に見られている」と感じてしまう場面もあるといいます。
しかし、フリー保育士の仕事は決して「担任をもつよりも楽」ではありません。常に園全体を見渡しながらサポートに徹し、各クラスから頼まれるヘルプの数々に、身体も気持ちも休まらないほど忙しいはず。クラス担任の先生とは、また違った苦労や難しさがあります。後ろ向きに捉えるのではなく、自分の仕事にやりがいをもって前向きに取り組めば、周囲にも伝わります。雑用を任される存在ではなく、園全体にとって頼れるオールラウンダーな存在になれると良いですね。
園児と集中的にかかわることができない
一方で、やはり園児たちとの直接的なかかわりが少なくなることで、「やりがい」を感じにくくなってしまうかもしれません。しかし、園全体の状況を把握する力や、中立的な立場から物事を見る力が鍛えられるので、園児たちの小さな変化や異変に気付いてあげられることもあります。また、園児たちにとってフリー保育士は「たまに来て遊んでくれる先生」という特別な存在。普段とは違う遊びをしてあげたり、ふれあうことで、園児たちも親しみをもってくれるに違いありません。
4.フリー保育士のメリット
フリー保育士としての経験は、キャリアアップにおいても大きなメリットにつながります。そのため経験豊富なベテランの先生だけではなく、新人の先生が担当することも。これによって、どのような利点が生まれるのでしょうか。
さまざまなクラスで多くの園児とかかわれる
クラスをもつようになると、自分のクラスのことで手いっぱいになってしまうことがあります。各クラスの園児たちとかかわれるのは、フリー保育士の特権。0~5歳児まで、年齢もさまざまな園児たちとふれあえる機会を、存分に楽しみましょう。さまざまなクラスの園児に覚えてもらい、会うたびに「先生!」と声をかけられるようになったら嬉しいですね。
保育士としての経験値が蓄えられる
担任の先生によって、1日のスケジュールの進め方や園児との接し方、園児の年齢に合わせた遊び方などにも個性があります。クラスごとに異なる保育を間近で見ることで、新人の先生にとってはこの上ない学びの場にもなることでしょう。サポートを通して経験を積むことができ、スキルアップにもつながります。
書類仕事が少なく、ワークライフバランスが取りやすい
保育士の課題でもある、残業や持ち帰り仕事。その多くが保育日誌や連絡帳などの書類仕事です。フリー保育士はクラスをもっていないので、書類仕事に対する負担は軽減されるでしょう。プライベートとの両立ができるため、子育てをしながら働いたり、趣味の時間を楽しむこともできますよ。
5.最後に
フリー保育士は毎日多くの園児たちとかかわりながら、園全体を支える存在。雑用係などではなく、新人もベテランも問わず保育士としてのやりがいを感じられる素敵な仕事です。いつかクラス担任をもったときにも、きっとその経験が役立つことでしょう。