2020.09.16
子育てと保育は全く違う!?ママさん保育士の意外な悩み&子どもとうまく向き合うコツ

目次
こんにちは。パーソンズの松枝です。
保育士の中には、子育てをしながら働く「ママさん保育士」がいます。「子育て」と「保育」は、子どもの世話をする、という点では同じ。しかし、「子育てを経験していると、保育はお手のもの」という考えは、一概にはそうとは言えないかもしれません。
今回は、「子育て」と「保育」の違いや、子育ての経験が保育に活きるポイント、「ママさん保育士」ならではの悩みと解決策をご紹介していきます。
1.「子育て」と「保育」の違い
まずは「子育て」と「保育」の違いについて、子どもとの関係性や、環境の違いをもとに考えてみましょう。
「保育士と園児」「親と子」の関係性
当たり前のことではありますが、保育士にとって園児とは、「保護者から預かっている子ども」です。この認識は決して、「他人の子どもだから愛情を持たない」という冷たいものではなく、保育士として常に忘れてはならない職務の「責任」があるからこそ。そして、園児も保育士のことを「親」として認識しているわけではありません。親に対する子どものわがままやいたずらは、親だけのものであり、保育士とは違った苦労があります。保育士もまた、大勢の園児を相手に、健康状態やトラブルがないか常に気を配りながら務めることに対して、子育てとはまた違った難しさがあるでしょう。
大人同士で協力する「保育」と、家庭内の「子育て」
保育の仕事は、同じ職場の先生同士の支えや助け合い、コミュニケーションや連携の上で成り立っています。保育経験も豊富な大人の「プロ」集団とは違い、子育ては孤独感を感じやすいもの。特に、もともと保育士として働いていた母親の場合、産休や育休中に社会とのつながりを感じられなくなることで、孤独感を強く感じ、子育てに行き詰ってしまうことも少なくないようです。だからこそ保育士は、子どもを預けて働きに出る保護者の気持ちをしっかりと理解し、心の支えになるように寄り添うことが大切だといえますね。
2.子育て経験が保育に役立つポイントとは?
「子育て」と「保育」は、その意識や環境も大きく異なるものではあります。一方で、子どもをイチから育て上げることで培う知識や経験が、役立つ瞬間も。現役で子育てをしながら務める保育士はもちろん、既に子育てを終えた保育士にとって、保育をするうえで役に立っている子育て経験とは、一体何なのでしょうか。
子どもへの接し方に慣れている
乳幼児から5歳児まで、幅広い年齢の子どもを預かる保育園。子どもの年齢や、その時期ならではの反応、成長の度合いに合わせた接し方は、保育士にとって重要な課題になります。例えば、2歳ごろに始まることが多いとされる「イヤイヤ期」の子どもとのコミュニケーションも、慣れていればその対応もスムーズになることでしょう。やってはいけないことの判別をつけるために、日々の生活を通して学んでいく園児たち。𠮟るときにも声量や言葉遣いを適切に、しっかりと届くような伝え方をするという点も大きなポイントです。
保護者の気持ちに寄り添いやすい
子育てを経験している保育士は、保育とは違った子育てならではの大変さを理解しています。夜泣きやおねしょ、家でのいたずらなど、保育中にはわかりにくいこともあるかもしれません。保護者にとっても、悩みを相談しやすく親しみやすい存在である保育士は、共感を求められることもあるでしょう。
3.保育と子育ての両立。ママさん保育士の悩みを解決
では、実際に保育士として働きながら子育てをするうえで生じる問題とは何なのでしょうか?ここでは、「ママさん保育士」として働く人に起こりやすい問題や悩み、その解決策をご紹介していきます。
長時間働くことが難しい
保育士の仕事は、朝から晩まで時間割が決まっており、持ち帰り仕事も多い実態が続いています。子育てをする場合、子どもの送り迎えや食事の準備など、家事育児に費やす時間も必要。長時間の勤務は難しいと悩むママさん保育士も少なくないようです。
保育園ではシフト制を取り入れている職場が多いため、有効に利用して家庭内で家事育児を分担。さらに、「短時間勤務制度」を利用したフレックスな働き方ができる職場を探せると、より働きやすくなるでしょう。
子どもが病気になったときに休みにくい
幼い子どもは、突然熱を出してしまったり、風邪や感染症など、病気になることも多々あります。そんなとき、「当日に急に休むことはできない」と悩むママさん保育士もいるのではないでしょうか。しかし、子どもと常に接する職業である保育の現場だからこそ、「子育て」につきものである子どもの急な体調不良には、理解をしてもらいたいですよね。
急な休みでも職員が交代できる体制や、シフト制やフレックス制を導入している職場であれば、不安も最小限に抑えられるでしょう。
保育をするために、わが子を預けることに葛藤がある
ほかの親の子どもの世話をしている間に、自分の子どもは別の保育士が世話をしている、という現実に矛盾を感じてしまうこともあるでしょう。自分の職場と、子どもが通う園で行事が被ってしまい、泣く泣く参加できないこともありますよね。
自分の子どもを別の保育園に入れず、自身が務める保育園に預けるという選択肢もあります。まだまだ少数ではありますが、福利厚生の一環として推奨している保育園も。保育中にも自分の子どもが気になってしまったり、ほかの保育士や保護者に気を遣うこともあるかもしれませんが、公私をきっちり分けることが大切。自分が知っている環境であれば、より安心感も得られるでしょう。
別の保育園に預ける場合であっても、一人の働く保護者として、決して間違ったことをしているわけではありません。自分の子どもと向き合う時間をしっかり作ることができれば、きっと良い距離感で子どもの成長を見守ることにつながるはずですよ。
4.最後に
「子育て」と「保育」は全く異なるものではありますが、子どもを思う気持ちや姿勢には通ずるものがあるはず。それぞれの良いところを活かしあうことができるのも、ママさん保育士のメリットです。一方で、保育には必ずしも子育て経験だけが役に立つというわけではありません。子育て経験の有無にかかわらず、保育士として培った経験を最大限に活かすことで、園児や保護者に寄り添った保育ができるようになるはずですよ。