2020.08.19
保育士のプライベートを確保するコツと注意点。街で保護者に会った際のリアクションの正解は?

目次
こんにちは。パーソンズの松枝です。
保育士は、園児たちを預かり日常生活の世話をする役割を担っています。しかし保育士にとっては、保育園は日常生活の場ではなく「職場」。勤務を終えたにもかかわらず、帰宅後や休日にも気が休まらず、プライベートが確保できないと悩む保育士は少なくありません。
今回は、保育士がプライベートを確保できない原因と解決策、そして万が一勤務時間外に園児や保護者に遭遇した場合の対処法について紹介していきます。
1.保育士が「プライベートがない」と感じる原因
保育士の勤務時間は、原則8時間。シフト制の保育園がほとんどで、1日中保育園にいるわけではありません。では、多くの保育士が「プライベートがない」と感じてしまうのは、なぜなのでしょうか?
街で保護者に遭遇してしまうことがある
保育士も勤務時間外には、街で自由にショッピングをしたり、友人と出かけることもあるでしょう。そんな“素”の状態のときでも、園児や保護者にばったりと会ってしまうことは十分にあり得ます。常にいつどこで見られているかわからず、気疲れしてしまうこともあるでしょう。
SNSでの日常の書き込みが見つかる
匿名にしていても、投稿の内容から読み取れる行動歴や癖などから、アカウントが保護者に見つかってしまうこともあります。誰に見られても問題のない投稿であれば良いですが、中にはストレスの捌け口として、日々の疲れや苦労を、思わず投稿してしまう保育士もいるのではないでしょうか。
保護者との距離が近く、連絡先を聞かれる
子どもを預ける・預かる立場として、信頼関係を築いていく保育士と保護者。保護者にとって、悩みや不安を打ち明けられる存在となることは当然大切ですが、一線を超えてプライベートに関わってしまうと、思わぬトラブルに発展する可能性があります。
連絡先を教えられていない保護者から見ると、連絡先を教えた保護者への対応は「贔屓」と捉えられることが多いでしょう。自分だけが保育士とのつながりが薄いというのは、子どもを預ける立場として不安な気持ちになるはず。自分のプライベートだけでなく、保護者全員との距離感を公平に保つためにも、連絡先の取り扱いには注意が必要です。
家に持ち帰って行う仕事が多い
保育業界全体の取り組みとして、働きやすい職場づくりに力を入れている近年。しかし、保育士不足も重なり、現場では一人ひとりが請け負う仕事量が多くなっているのが現状です。家に持ち帰って仕事をする保育士も多く、勤務時間外でも仕事からプライベートへなかなか切り替えられないことも。
2.保育士がプライベートを確保するコツ
保育士がプライベートの時間を作りにくい原因は、「保育士」という職業の性質が深く関わっているようです。では、少しでもプライベートを確保するためには、どんな対策が必要なのでしょうか。
自宅と勤務地の距離を遠ざける
新卒で入職をするときや、新しい職場に移るときがチャンス。勤務地と自宅は、通勤に困らない程度に離してみてはいかがでしょうか。
自宅の近くは、スーパーやコンビニなど、日常的に利用したいプライベートな生活圏。勤務地が近いと、保育園に通う園児たちの家庭も、近所である可能性が極めて高くなります。電車やバスを使って無理なく通える範囲内で、勤務地を絞り込んで探してみると良いでしょう。
SNSを含む個人の連絡先は交換しない
保育士のほうから、SNSのアカウントや個人的な連絡先を保護者に教えることは少ないでしょう。問題は、保護者から「教えてほしい」と迫られたときです。
必要に応じて、緊急の連絡先を教えなければならない状況はあります。しかし、保護者がプライベートな付き合いを求めてくる場合、保育士には「断る義務」があります。プライベートでは自分なりに息を抜ける場所を作って精神を整え、そして園児や保護者の前では「保育士」としての対応を全うする。それも保育士の仕事の一つと言えるでしょう。
プライベートな食事会などの誘いは断る
誘いの多くは食事会や、園児の習い事の発表会です。連絡先の交換と通ずるもので、勤務時間外の付き合いの誘いは丁重に断るのがベスト。
ほかの保護者、保育士の立場に立って考えてみましょう。プライベートと仕事を棲み分けて、誘いを断った保育士がいる中で、誘いを受けてしまったら、断った保育士は「付き合いが悪い保育士」だと思われかねません。また、とある園児の発表会には出席したが、別の園児の発表会には出席できなかった場合、その保護者は「なぜうちの子の発表会には来てくれないのか?」と思うでしょう。常に公平な対応を心がけ、互いにとって一番心地よい距離感を保つことが重要です。
3.街で保護者に会った際にとるべき行動は?
どれだけ気を付けていても、街なかで園児やその保護者と遭遇してしまうことは珍しくありません。そんなとき、どんな行動をとるのが正しいのでしょうか?
- 笑顔で会釈しておけば安心
相手が気づいているかわからないときは、こちらから声はかけないのが無難です。しかし、実は相手も気づいていて、後日になって「○○にいましたよね?」と言われることもあります。こちらが気づいたのであれば、笑顔で軽く会釈をしておけば、まず問題ないでしょう。
- 声をかけられたら軽く挨拶を交わす
突然、「先生!」と声をかけられてしまったとき、完全な保育士モードに切り替えることは難しいかもしれません。しかし、無視はしないようにご注意を。「こんにちは」と一言挨拶しておくだけで十分ですよ。
- 「またね」「失礼します」で自然に会話を終える
思いがけず長話になってしまうこともありますが、相手も自分も予定が控えている場合も。挨拶を交わしたら、あまり話を広げる必要はありません。
別れる際には、園児にも保護者にも挨拶をして去りましょう。保護者には「失礼します」、園児には「また保育園でね」と伝えれば、後日保育園で会っても気まずくなりませんよ。
4.最後に
日常生活を園児たちとともに過ごしている保育士は、仕事とプライベートとの境目が見分けにくくなってしまうこともあるでしょう。気の休まる瞬間がないのは、気づかぬうちにストレスを蓄積させます。できる限りプライベートを確保して、笑顔で明るい保育士の先生でいられるようにしましょうね。