2020.06.24
男性保育士は少ない?その理由と、男性ならではのメリットを総ざらい

こんにちは。パーソンズの松枝です。
保育士というと、まだまだ女性のイメージが強い世の中。保育士を目指す男性の中には、悩みや不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
男性の保育士は少数派ですが、男性ならではのメリットや将来性もあり、その需要や理解は広がりつつあります。今回は、男性保育士の実情やメリットを解説するとともに、今後に向けて取り組むべき課題を考えていきましょう。
1.男性保育士の現状
「保母さん」と呼ばれていたこともあるだけに、女性のイメージが根強く残っている保育士。実際、男性の保育士はどの程度の割合なのでしょうか。
保育士の男女比率
厚生労働省が2019年に発表した「保育士登録者数等(男女別)」によると、同年4月1日の時点で保育士登録者数は計159万8556人。このうち女性は152万476人を占め、男性はわずか7万8080人でした。増加傾向にはあるものの、やはり『女性が多い職業である』というイメージに違わず、男女比率に偏りが見られます。
男性保育士の給料事情
続いて、気になるのは給料の問題。厚生労働省が2020年3月31日に発表した「令和元年賃金構造基本統計調査」によると、2019年度の男性保育士の平均年収はおよそ390万円。勤続年数や年齢によって前後するものの、全体的に年々上昇しているようです。
しかし、国税庁が2019年9月に発表した「平成30年分民間給与実態統計調査結果について」によると、男性の給与所得者の平均年収は約545万円。男性保育士が増えにくい原因のひとつが、金銭面であることの可能性は高そうですね。
2.男性保育士ならではのメリット
男性保育士の悩みには『女性中心の職場に馴染めない』という声をよく聞きますが、男性ならではのメリットは多数。この強みを活かすことで、子どもや保育園にとっても良い影響を与えます。
- 男児の世話がしやすい
外遊びや散歩中、公共の施設などで男児がトイレに行くとき、女性保育士は様子を見てあげることは難しいでしょう。男性保育士であれば、一緒に入ってあげられるだけでなく、トイレトレーニングにも適任です。
- 体格を活かして活躍できる
重たい荷物を運んだり、園児を抱き上げたりと、力仕事も多い保育士。さらに、遊び盛りの男児たちは、身体を動かすことも大好きです。女性保育士だけでは、体力が追いつかないこともしばしば。男性ならではの体力とパワーを存分に発揮してください。
- 園児にとって父親のような存在となる
家庭で父親と母親に役割があるように、保育園でも男女がそれぞれの長所を活かして助け合う。そんな光景を見せることで、子どもの成長に繋がります。
母子家庭や父子家庭、片方の親と接する機会が極端に少ない子に対しても、保育園でのふれあいが良い影響を与えることになるでしょう。
- 防犯対策として効果が期待できる
痛ましいことに、不審者が保育園に侵入する事件は、実際に何度も起こっています。対策や訓練も重要ですが、保育園に男性保育士がいるというだけで、不審者に侵入される確率は格段に低下。防犯対策の面で、保育園や保護者にとって心強い存在となります。
- 父親とのコミュニケーションが取りやすい
父子家庭や、父親が迎えに来る家庭も決して珍しくありません。悩んでいる父親が気軽に相談できるような、良き話し相手となってあげてくださいね。
3.男性保育士のこれから
女性とは異なる強みを持つ男性保育士は、今後も需要が高まるばかり。では、男性保育士が働きやすい環境を作るためには、どういった対策が必要なのでしょうか。
職場環境の改善に取り組む
2017年に千葉市で策定された「男性保育士活躍推進計画」。男性更衣室やトイレの環境整備など、男性保育士が働きやすい環境を作るための取り組みです。同様の取り組みが全国で始まれば、男性が保育園で快適に働けるようになり、男性保育士の人口も比例して増加するでしょう。
給与アップを目指す
スポーツに力を入れた保育園では、インストラクターや幼児体育などの資格を持っていると、有利な待遇を受けられる場合があります。また、夜勤制度がある保育園に就職して、時間外手当を受けるという方法も。給料アップへの道は、自ら切り開くことができます。
保護者との信頼関係を築く
残念ではありますが、男性保育士が子どもの世話をすることに対して、抵抗や偏見を持ってしまう保護者の方も少なからずいらっしゃいます。だからこそ、保護者一人ひとりとの信頼関係の構築は必須。コミュニケーションは丁寧にとるようにしましょう。
4.最後に
保育士は、親に代わって子どもたちを見守り、育てる存在。だからこそ男性保育士にも、男性にしかできない役割が与えられています。何より大切なのは、男性保育士としての誇りと「子どもが好き」という愛情。子どもから好かれる、頼もしい男性保育士を目指してくださいね。