2020.06.10
熱中症や日焼けから子どもを守る。夏に必要な対策を考えよう

目次
こんにちは、パーソンズの松枝です。
子どもたちが汗をかいて元気に遊ぶ、暑い夏がやってきました。一方で、室内外問わず熱中症や日焼けなどには十分に注意しなければなりません。子どもたちの安全と健康を守る保育士。今回は、夏を楽しく安心して過ごすための対策を解説していきます。
1.子どもが大人よりも熱中症になりやすい原因
子どもは、大人に比べて熱中症にかかりやすいと言われています。子どもをあずかる保育者として、まずはその原因を知ることから始めましょう。
地面からの熱を受けやすい
子どもは身長が低く、地面に近い環境で過ごしています。地面付近は日差しの熱が反射するため、大人が感じているよりも、子どもの顔まわりはさらに高温。外遊びや散歩をする際は、子どもの体感温度を考えて、時間や場所を選ぶ必要があります。
体温の調節が上手にできない
子どもは発汗機能が未熟で、汗をかくまでに時間がかかり、上手に熱を逃がすことができません。全身の水分量が多く、周りの熱を吸収しやすいという一面も。体内に熱がこもった状態が続くことで体温が上昇し、熱中症へとつながります。
体調不良の自覚がない
大人でも時に自覚が難しい熱中症。水分が不足していたとしても、子どもが自ら補給しに行くことは稀なケース。外遊びに夢中になり、長時間にわたって炎天下で遊び続けてしまうことも十分にあり得ます。
2.子どもの日焼け対策が必要な理由
「子どもに日焼け対策は早いのでは?」と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、子どもは大人以上に、日焼け対策を怠ってはならない理由があります。
子どもは大人に比べて皮膚が薄い
子どもの皮膚は、大人の2分の1ほどの薄さ。紫外線や熱などの刺激は、薄い皮膚にとって大きなダメージとなってしまいます。
紫外線が悪影響を及ぼす可能性がある
成長過程にある子どもは、紫外線の影響を受けやすく、その分だけ肌へのダメージを蓄積するでしょう。子どものころに浴びた紫外線量が多いほど、将来的に皮膚がんや目の病気の発症、皮膚の老化につながるリスクが高まると言われています。
3.熱中症や日焼けから園児を守る5つのポイント
身体のあらゆる機能が成長過程にある大切な時期だからこそ、暑さや紫外線は大敵。夏の暑い一日を保育園で安全に過ごすため、具体的な対策を見ていきましょう。
- こまめな水分補給を行う
保育園では、一日のうちに水分補給をするタイミングを数回決めておくと良いでしょう。お昼寝の前後、外遊びの前後など、普段のスケジュールに「水分補給」を組み込むだけで、園児たちもルーティンのひとつとして認識するようになります。
- 外遊びは日陰で短時間に
外遊びでは、日陰を上手に利用しましょう。熱中症や日焼けを恐れるあまり、全く外遊びをしないのは逆効果。気温や体調を見ながら、適度な外遊びで暑さに慣れさせることも保育者の役目です。
- 屋内では温度管理を徹底
室内だからと油断していると、気づかぬうちに発症してしまうのが熱中症の恐ろしいところ。エアコンや扇風機、すだれなどを上手に活用して、室温管理を徹底しましょう。
- 帽子と通気性の良い服装
外遊びや散歩では、直射日光を避けるため、後頭部まで隠れる帽子が必須アイテム。また、通気性の良い服を着せるよう保護者にアナウンスするのも大切ですね。その日の気温や体調に合わせて、厚着や薄着になっていないか調節してあげることが肝心です。
- 日焼け止めで紫外線カット
紫外線対策として、日焼け止めクリームも効果的。しかし、皮膚に直接塗布するため、体質に合わず荒れてしまうこともあります。保護者と事前によく相談して、可能な範囲で日焼け防止に努めましょう。
4.熱中症の疑いがある場合の応急処置
もし万が一、熱中症を疑うべき兆候が見られたら、保育士として迅速に対応をすることが重要です。
軽度の場合は応急処置を
めまいや立ちくらみ、多汗など軽症の場合、まずは応急処置を施しましょう。異変を感じたら日陰やエアコンが効いた涼しい部屋へ連れていき、衣服を緩めます。濡れタオルや保冷剤などを使って、首や脇、太ももの付け根を冷やし、うちわなどで仰いであげてください。水分補給だけでなく、塩分の摂取も忘れずに行いましょう。
症状が改善しない場合は迷わず病院へ
症状が良くならない場合は、迷わず病院に受診を。意識を失っている場合は早急に救急車を呼び、待っている間は適切な措置を続けてください。また、周りで見ている子どもたちへは「大丈夫だから、心配しないでね」などの声かけも忘れてはいけませんよ。
5.最後に
子どもの対応に追われているうちに、保育士自身が水分補給をできない状態が続き、気づかぬうちに倒れてしまうケースも珍しくありません。今回ご紹介した対策は、保育士にも共通することばかり。自分自身も体調を万全にし、子どもたちとこれからの季節を楽しく安全に過ごしましょう。