2020.05.27
保育園と幼稚園、働くならどっち?それぞれのメリット・デメリットを紹介

こんにちは、パーソンズの松枝です。
保育士の求人を探していると、保育園だけでなく幼稚園の求人を目にすることもありますよね。いま現在、保育園で働く保育士の方の中にも、幼稚園での仕事に興味を持っている方がいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、幼稚園と保育園の違いや特徴などをご紹介。就職活動をする上で参考になるポイントをまとめました。
1.保育園と幼稚園の違い
どちらも「未就学児が過ごす施設」という点は共通していますが、保育の目的や管轄する省庁が異なります。
保育園、幼稚園、認定こども園
- 保育園
保育園は「児童福祉施設」という区分で、厚生労働省が管轄しています。主に、保護者の就労などを理由に保育を必要とする児童を預かり、保育士が食事や排泄、生活習慣を整えるための施設です。そのため保育士は、「保護者の代わり」として子どもの成長をサポートするのが役割です。
また、保育園の保育士として勤務するには「保育士資格」が必要です。
- 幼稚園
幼稚園は「教育施設」という区分で、文部科学相が管轄しています。つまり幼稚園の目的は「就学前の幼児に教育を受けさせる」ということ。幼稚園教諭は「先生」という立場で年齢にあった環境を整え、一緒に活動することで子どもの発達を促します。
また、幼稚園の幼稚園教諭として勤務するには「幼稚園教諭免許状」が必要です。
- 認定こども園
2006年に創設が始まった「認定こども園」は幼稚園と同じように、保護者が働いている、いないに関わらず利用が可能。「幼保連携型」「幼稚園型」「保育所型」「地方裁量型」とさまざまなタイプがあり、就学前の教育および、家庭の保育ニーズに合わせて対応しています。
認定こども園で働くには、園のタイプによって必要な資格が異なります。「幼保連携型」では「保育士資格」と「幼稚園教諭免許」の両方が必要。「幼稚園型」「保育所型」「地方裁量型」では、0歳から2歳までは「保育士資格」が必要で、満3歳以上は「保育士資格」「幼稚園教諭免許」の両方を持っていることが望ましいですが、片方だけでも働くことはできます。
免許の更新
保育園・幼稚園・認定こども園で必要な免許には、更新が必要なものもあります。
●保育園…「保育士資格」は更新の必要なし
●幼稚園…「幼稚園教諭免許」は取得時期によって“有効期限の有無”はあるものの、原則的に職務に就く以上は更新講習の受講義務が発生します。一方で、失効中(未更新)の状態でも働ける職場もありますので、人材会社のコーディネーターに相談してみるのも良いでしょう。
●認定こども園…上記に同じく、「幼稚園教諭免許」で働く場合は更新の必要あり
2.保育園と幼稚園の仕事
管轄や目的の違う2つの「園」。保育園と幼稚園では、仕事内容にも違いがあるのでしょうか。
- 保育園の仕事
0歳児から5歳児までと、幅広い年齢の保育を行う保育園。保育士の役割は、子どもたちが安全に過ごせるよう環境を整え、基本的な生活習慣を手助けすることです。幼稚園と比べると開園時間も長く、多くが7時から19時頃まで子どもを預かります。保育園によっては24時間開園している園もあります。
- 幼稚園の仕事
幼稚園は基本的に満3歳〜小学校入学前の子どもが利用でき、保育園よりも教育的なプログラムが多いことが特徴です。幼稚園教諭は、年齢にあった活動や遊びを取り入れたカリキュラムをつくり、子どもたちの成長と発達をサポート。簡単な足し算や引き算、ひらがなの勉強、体操教室などを通して、勉強・スポーツへの姿勢を促してあげることが大切です。
3.保育園で働くメリット・デメリット
保育園で働く最大のメリットは、長い間、子どもたちの成長を見守ることができるという点でしょう。ミルクを飲んでいた0歳の乳児がすくすく成長し、立派な5歳児になり卒園していく姿は感無量です。また、幼稚園に比べて複数担任制であることが多く、助けが必要なときに周囲に頼りやすい環境が整っていると言えます。
一方で、幼稚園と比べ開園時間が長いため、業務時間も長くなり、事務作業が思うように進まないケースもあるというデメリットも挙げられます。また、土曜日や夏休みなどの長期休みも開園しているため、休みも不定期になりがちです。
4.幼稚園で働くメリット・デメリット
幼稚園で働くメリットは、幼児の初めての学びに一緒に関わることができる点が挙げられます。自分の授業や指導の元で学び、意欲を高めていく子どもの姿に、大きなやりがいを感じられるでしょう。また保育園と違い、幼稚園には夏休みや冬休みなどの長期休みがあります。その期間もまったく勤務がない訳ではありませんが、比較的、長期休暇は取りやすい傾向にあると言えるでしょう。
そんな主体性が育ち、活動の幅が広がる子どもを育てる幼稚園だからこそ、デメリットが生じてしまうケースもあります。例えば、翌日の準備などの作業がたくさんあること。カリキュラム作成や教室の飾り付け、制作物、書き物や会議など、やるべきことが多く、場合によっては残業が発生することもあるでしょう。
また、幼稚園は園児の数が100名以上のところが多く、複数担任制の保育園と比べ1人で担任をもつ園が多いのも特徴。幼稚園の設置基準は「1学級の幼児数は35人以下が原則」とあります。つまり1人担任制の場合には、最大35人もの園児を担任1人でまとめなくてはいけないため、うまく休みが取りづらい可能性もあります。
5.最後に
保育園と幼稚園では、子どもの年齢や保育時間、保育の目的などさまざまな違いがあることが分かりましたね。保育園で子どもの親代わりとして保護者のサポートをしたいのか、幼稚園で幼児の学びに関わり可能性を伸ばしてあげたいのか…。
どちらで働くにしても、それぞれに大きな魅力とやりがいがあります。雇用形態や保育・教育内容も含め、自分がどんなふうに子供と関わりたいのかをしっかり考え、選んでくださいね。