2020.04.08
自己主張が強い子、弱い子それぞれどう接するべき?

目次
こんにちは、パーソンズの松枝です。
多くの子どもにとって、初めての集団生活となる保育園。ここで他の園児や保育士と関わることで、自我が芽生え、自己を抑制する気持ちが生まれます。
保育者として子どもたちと関わるにあたって、意識して尊重してほしいのが「自己主張」です。今回は、子どものコミュニケーション力を育む「自己主張」との関わりについて、解説していきましょう。
1.自己主張とは?
自己主張とは、自分のやりたいことや考えを相手に伝えることを言います。他者に自分の考えを理解してもらうための、大切なコミュニケーションのひとつです。
イヤイヤ期は自己主張の始まり
乳児期から徐々にはじまる自己主張。何を言っても「イヤ!」と駄々をこねるようになる「イヤイヤ期」も、実は自己主張の始まり。2歳前後に多く、気持ちを言葉で説明できず、自己主張を上手にコントロールできません。
親も保育者も手を焼くことの多いイヤイヤ期ですが、成長過程では大切な発達。いずれ語彙や表現力が増えることでイヤイヤ期は落ち着きます。
2.自己主張は悪いことではない
イヤイヤ期が過ぎても、自分が何をしたいのかを言葉や態度で示すことは、集団生活の中で欠かせません。子どもの自己主張力を育むためには、大人が話をじっくり聞き、先回りせず子どもが自分で伝えられるよう待つことが大切です。
自己主張とわがままの違い
わがままと混同されがちな自己主張ですが、自己主張はあくまで自分の思いや考えを相手に伝えることです。この限度を超えて、相手が否定したり嫌がっているのに自分の意志を押し付け続けてしまうことが「わがまま」となります。
大人がこれを混同し、子供の自己主張をわがままと捉えて抑圧してはいけません。
自分の考えや思いを周囲の人に伝えることは、生涯に渡って重要なコミュニケーション手段です。上手に子どもの自己主張を育んであげましょう。
3.自己主張が強い子への接し方
自分の気持ちを言葉にできることはとても素晴らしいですが、意見を無理に通そうとすると、単なるわがままとなってしまいます。保育者として、自己主張の強い子にはどう接すれば良いのでしょうか。
他者の話をしっかり聞いた上で、自己主張を受け入れる
自己主張が多めで他の子の意見を聞けない子には、「人の話を聞く」という経験が必要です。そんな場面に遭遇したら、「今は◯◯くんが話しているから、ちゃんと聞こうね」と耳を傾けるように促してみましょう。
もちろん、その後で子どもの意見もしっかり聞いてあげることも大切なポイントです。「きちんと自分の意見を受け止めてもらえた」という事実は自信へと繋がり、他者の意見も尊重できるようになるでしょう。
4.自己主張が弱い子への接し方
集団生活の中では、自己主張が得意な子もいれば苦手な子もいます。自分の気持ちを言葉にすることが少ない子には、自己主張の大切さを伝え、自己主張は決して悪くないことを教えてあげましょう。
意見を言える場の雰囲気をつくる
自己主張が苦手な子にとって、無理に意見を求められるのは辛いだけ。日常会話や遊びの中で何気なく意見を求めるなど、自然に自己主張ができる環境をつくってあげましょう。少しでも自分の気持ちを吐露できれば安心し、大きな自信になります。
5.最後に
多彩な性格の子どもたちが一緒に集団生活を送る保育園。保育者は、すべての子どもが楽しく生活できるよう努める必要があります。普段から子どもたちとコミュニケーションを取り、性格タイプを把握しておきましょう。それぞれに合った適切な対応を心がけることで、子どもたちは安心し、健やかに成長してきますよ。