2019.09.04
感情的にならず、怒らない。子どもをさとす上手な叱り方とは

目次
こんにちは。パーソンズの松枝です。
忙しいときやイライラしているときには、思わず感情的に怒ってしまうこともあるでしょう。しかし子どもは大人の感情にとても敏感!幼い子どもの言動は予測不可能なものですよね。感情的な叱り方は子供を怯えさせてしまい、伝えたいことが理解されないことも。
そこで今回は、感情的にならない上手な叱り方をご紹介しましょう。
1.「怒る」と「叱る」はどう違うの?
よく似ているように思える「怒る」と「叱る」の行動。しかし実際は大きく異なります。まずはその違いを知りましょう。
怒るとは
基本的に「自分」が腹を立てた感情を相手にぶつけてしまうことを言います。「自分が良ければそれで良い」という自己中心的な意味合いもあります。感情的に怒ることで、子どもはなぜその行動が悪いのか理解ができません。恐怖でその場では言うことを聞きますが、隠れてやってはいけないことをする可能性も。
叱るとは
叱るとは、相手のことを思って行う行為です。主軸は自分ではなく、相手。相手をより良くしようとする注意やアドバイスを、時には語気を強めて伝えることを言います。「どうしてその行為がいけないのか」を丁寧に伝えることで、子どもは「なぜいけないのか?」と自ら考えることができ、理解するようになります。
2.どういうときに叱るのか
前述にある通り、子どもがより良くなるための「アドバイス」や「注意」を意識する時は、「怒る」のではなく「叱る」行為が適切であると言えますね。
それでは、保育園ではどのようなタイミングで子どもを叱るのでしょうか。
- 危険なとき
好奇心旺盛な子どもは、想定外の危険な行動をしてしまうことがあります。その場合、まずは危険な行動を止め、安全な場所に移動してから「危険な行動であること」を叱ります。なぜ危険なのかをしっかりと説明し、子どもに危険を認識させることが重要です。
- 人を傷つけたとき
例えば自分が使っていたおもちゃをお友達に取られて、思わず手が出てしまうこともあります。そのようなときは、まずはおもちゃを取られたお友達の気持ちも代弁して、「自分がされたらどう思う?」などと語りかけましょう。自分以外の人の感情を丁寧に伝えることで、お友達の気持ちを理解できるようになります。
- 約束を破ったとき
約束とはお互いが決めた「ルール」に納得し、理解していることを言います。子どもとはいえその約束を破るということは、友達同士の信頼関係を損なうことにつながると言えるでしょう。そこで子どもには、約束を守ることの大切さを伝え、破った場合には“なぜ、約束を破ると良くないのか”を説明してきちんと叱ります。反対にちゃんと約束を守った時は、褒めることも忘れないでくださいね。
3.上手な叱り方のポイント
こちらでは、子どもに正しく伝えるポイントをご紹介します。
叱る理由を説明する
まずは「なぜいけないのか」を子ども目線で分かりやすく、簡潔に説明しましょう。理由が分からずただ責められている形になると、子どもは困惑してしまいます。
子どもの声に耳を傾ける
時には、子どもにも誤解や言い分があることもあるでしょう。すぐに感情的にならず、子どもの話をしっかり聞いた上で状況を判断するようにしてください。間違っても、一方的に怒鳴ることのないようにしましょう。
その後のフォローも大切に
やってはいけないことを繰り返しさせないためには、自分で「どうすれば良かったのか?」まで考えさせる必要があります。保育士が「次はどうしたら良いかな?」などと語りかけ、子ども自身で考えられるようにしましょう。
反省できたことを褒めてあげることも大切です。先生の話をしっかり聞けたこと、次はどうしたら良いかを自分で考えられたことなどを、笑顔で褒めてあげましょう。
4.やってはいけない叱り方
まだまだ小さな子どもに、正しく伝えるのは難しいもの。そんな中で、大人が気をつけるべき“やってはいけない叱り方”はいくつかあります。
- 感情的に怒鳴る
大きな声で怒鳴っても子供には響きません。単に怯えてしまったり、子どもも感情的になって冷静に理解ができなくなることも。恐怖でコントロールされることが当たり前になってしまうと、子どもたちは「何が悪かったのか?」が理解できず「怖いからやらない」、「怒鳴られるからダメ」という考えになってしまいます。
- 人格の否定
やったことに対してではなく人格を否定してしまうと、自己肯定感が持てず、深い心の傷になってしまうこともあります。愛情を持ち、「してはいけない行為」に対して叱ることを心がけてください。
- 他の子どもと比べる
小さな子どもにもプライドがあります。大人と同じで他の子と比べられると、ただ傷つくだけ。同様に、大勢の前で見せしめのように叱ることも、プライドを傷つけるだけで反省どころではありません。
5.最後に
“叱る”という行為は難しいものですが、感情的になりそうなときは深呼吸をし、落ち着いて子どもと向き合いましょう。「怒る」のではなく、子どものことを考え上手に「叱る」ことができれば、保育士としてさらにステップアップできますよ。