2019.11.13
平均給与や今後のアップは?保育士の給与事情

目次
こんにちは!パーソンズの松枝です。
一人ひとりにしっかり目を配り、子どもの成長を促す責任がある保育士。給与水準は一体どうなっているのでしょうか。「保育士のお給料は安そう…」というイメージもあるかもしれませんが、実は今、保育士の待遇は大きく変わろうとしています。
今回は保育士の給料や、今後の待遇改善についてお話していきましょう。
1.今の保育士の平均給与額って?
平成30年の厚生省「賃金構造基本統計調査」によると、保育士の平均給与は年収換算で357万9,000円。平均月額給与は23万9,300円というデータがあります。決して多いとは言えない平均給与額ですが、平成25年度の平均年収310万円の頃と比べると徐々に上がってきており、今後も政府の待遇改善により平均年収のアップが期待されています。
2.年数や経験・役職による給与額の違い
保育士の給与は勤続年数や経験、役職によっても異なります。保育士としての経験を積み、責任ある仕事を任せられるようになると給与も上がるでしょう。主な役職には以下のものがあります。
- 主任
主任保育士は、園長と保育士の間に立ち、園長を補佐しながら現場をまとめるリーダーです。クラスの担任を持たず、園全体を客観的に見ながら保育士の指導なども行います。一般の保育士よりも仕事量や責任が重い主任保育士。そこで、多くの保育園では給与に「主任手当」を加算しています。金額は保育園の規模にもよりますが3万〜5万円ほどであることが多いようです。
- 園長
子どもが安心して過ごせる保育園であるよう、運営していく立場の園長。行事の企画運営や保育士の指導育成、保護者への対応から地域交流、食品の管理まで多くの仕事を抱えます。もっとも責任のある仕事ですので、それに見合った手当が加算される園がほとんど。額は保育園にもよりますが5万円〜10万円程度であることが多いようです。
3.国を挙げての保育士処遇改善作、今後のアップも期待できる?
昨今の待機児童問題や保育士不足により、2013年から国を挙げた「保育士の処遇改善」の政策が始まり、保育士の給与は見直されてきています。
「子ども・子育て支援新制度」による給与ベースアップ(2015年〜)
2015年4月に「子ども・子育て支援新制度」が始まりました。このときも保育士の給与は平均3%アップ。さらに公務員給与の見直しに準拠し、2017年にも平均2%アップしています。
キャリアアップのための新役職の設置と補助(2017年)
新たな役職として「副主任保育士」「専門リーダー」「職務分野別リーダー」が新設。「職務分野別リーダー」には月額5,000円の処遇改善、「副主任保育士」「専門リーダー」には月額40,000円の処遇改善が実施され、園の判断で手当が支給されるようになりました。
4.2019年度以降予定される保育士待遇改善施策
このように年々改善され続けている保育士の待遇ですが、今後もさらなる改善が期待されます。
消費税アップに際する「2兆円パッケージ」(2019年10月以降)
2019年10月の消費税引き上げにともない、「2兆円パッケージ」として幼児教育・保育や高等教育の無償化の実施をスタート。その中には保育の受け皿づくりとして、保育士の処遇改善に数百億円予算を準備しています。これにより、保育士給与が約1%ベースアップされるであろうと言われています。
5.最後に
保育士の給与は必ずしも高いとは言えませんが、保育士需要の背景もあり、年々改善が見込まれています。特に私立の保育園は園によって待遇はさまざま。今の給与や待遇に不満があるようでしたら、今より高い給与が見込める保育園に転職を考えてみるのも選択肢のひとつ。転職を考える場合は、お気軽にパーソンズにご相談くださいね。